文系
この方の著作を読むのは初めてだと思っていたら、吉本隆明の南島論の著作「琉球弧の喚起力と南島論」で共同執筆されていた。 この本は、一言でいうなら、四季を通じて沖縄の慣習等を紹介する本だ。 正月に始まり大晦日に至る沖縄の一年を、フィールドワーク…
ちょっと気になっていたので買ってみた。 旧日本軍の作戦失敗の原因を、組織論で解説する、という本。 どっちかというと、歴史読み物というよりは、ビジネス書である。 学習する組織だとか、意思疎通だとか、そう言うのが気になる人向きかと思う。 逆に、何…
北には何かしら魅かれるものがあるようだ。 北海道から連なる千島列島、カムチャッカ半島、樺太、アリューシャン列島、オホーツク海を、子供の頃、地図で眺めていた。 やがて、アルセーニエフの「デルス・ウザーラ」を読み、そこに登場するシベリアの少数民…
子供のころ、東京から遠く離れたミクロネシアの島々を、地図で辿ったりした。 アメリカの信託統治領が何であるかも知らず、太平洋に点在する島々に思いを馳せていた。 この本は日本が進出し、太平洋戦争を引き起こし、そしてアメリカの信託統治となった昭和…
この本もまた電子書籍である。 リアル本では手をださない本も、電子書籍なら手が伸びるのは不思議だ。 だが、今ひとつピンと来なかった。 やはり、直感でわかるような気がするのだ。 人生論ノート 作者: 三木清 発売日: 2012/09/13 メディア: Kindle版 この…
この本もまた図書館で借りた。 中央アジア史に興味はあるのだけれど、どうも歴史書は苦手だ。 新書だったら読めるかと思ったけれど、眠くなってしまう。 この本はロプ・ノールをめぐる探検家ヘディンについての本でもある。 楼蘭王国―ロプ・ノール湖畔の四千…
妖怪を分類したもの。 この本もまた、電子書籍でよんだ。 妖怪研究 作者: 井上円了 発売日: 2012/10/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る
妖怪学についての講演会を文字に起こしたもの。この講演会では、ジンクスや符丁について語っている。 妖怪学一斑 作者: 井上円了 発売日: 2012/10/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る
この本もまた電子書籍で読んだ。 東洋大学、哲学堂の設立者である、井上円了が山梨で起こった妖怪騒ぎを検証するというもの。 実際どんな内容なのかを此処で明かすのは面白くないので行わない。 短いので興味のある方は読んで欲しい。 こういった事件が大騒…
この本もまた図書館で借りた。 だいぶ前に読み終わって、もう返却してしまったのだが、記事を書くのを忘れていた。 聖地巡礼という行為に関する社会学的な考察、といったところか。 手元に無いので記憶に頼るしかないが、ニューエイジムーブメント以降の聖地…
以前から気にはなっていたのだが、買っていなかった本である。 そして、人文系の本を読むのも久しぶりで、読み終えるのに大分かかってしまった。 江戸末期の浮世絵に登場する鯰絵についての構造主義的分析の本だといえば大体合っているだろうか。 とはいえそ…
この本もまた図書館で借りた。 だが読みきれず、返却することにした。『コーラン』を読む (岩波現代文庫)作者: 井筒俊彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/02/16メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る
久しぶりに読み返してみた。 鬼とは何かという問題提起から始まる日本文化についての対談である。 とは言っても、最近のメディアに流れている薄気味悪い日本礼賛ではなく、悪く言うなら、トンデモ本すれすれの伝奇ロマンのネタ本と言っても良いかもしれない…
この本もまた図書館で借りた。 カバーをかけずに電車で読んでいると、前に座っている人が凝視することがある。 ヤンキーはマイルドになって、より社会に適合できるようになって、オタクもカジュアル化してファッションの一部となりつつあって、行き場の無い…
アラブの春からウォールストリート占拠に至った2011年に対して、ネグリとハートは新しい民主主義を夢見たのなら、ジジェックは何を見たんだっけ、と思って再読した。 相変わらず読書効率が下がっているのは、日常の疲労もある。 ブログを書くために本を読ん…
この本もまた図書館で借りた。 たまには難しい本を読まないと、頭が鈍るだろうと思ったのだが、どうにも政治論は苦手だ。 2011年のアラブの春やウォールストリート占拠を軸に、新しい民主主義を検討している本といえば良いだろうか。 薄っぺらい理解で言うと…
この本もまた図書館で借りた。 よく出来たマーケット分析の本だと思った。 都心に暮らす人と、郊外に暮らす人がいて、それが固定化されつつある現状を、ヤンキーという切り口で解説して見せたのだと思う。 この本で言うヤンキー3.0は、都心にも存在するし、…
Ingressばかりやって、読書が進まない。 まあ、そんな時もあるさと思ってはみる。 しかし、三日本を読まざれば、という言葉もあるしと、どれか手に取ろうと思うが、それすらなかなか気が進まない。 軽めの本でも、と久しぶりに手に取ったのがこの本である。 …
久しぶりに小松和彦の著作を読み返してみる。 全く別の話なのだが、最近、情報番組やクイズ番組の多さが気になる。 そんなに情報が必要なのだろうか。 そこにあるのは、情報の消費のようでもあり、無知を笑う残酷さが隠れているようでもあるように思う。 あ…
やっぱりプラトンかなと思って、他の本も読み返してみた。 何がやっぱりなのかというと、「プロタゴラス」を読んでやはりソクラテスを裏返してみるのが、良いんじゃないかと思ったのだ。 (しかしそれにしても、過去に読んだ時の「プロタゴラス」の感想を見…
この対話篇におけるソクラテスの奇妙さが気になる。 支離滅裂というか、狡賢いというか。 高名なソフィストのプロタゴラスのもとを訪れたことを友人に話すソクラテスという設定の対話篇である。 「徳は教えられるのか」という命題に対して、ソクラテスは「教…
図書館で借りてみた。 「オベリスク備忘録」で、この著者のことを紹介されていたのを読み、ちょっと興味が湧いたのだった。 ともあれ、読んでみたのだが、いまいち消化不良だ。 残念ながら、紹介したり、感想を書いたりすることが出来ない。 この著者の言っ…
少し前のことになるが、赤瀬川原平氏が亡くなった。 だからというわけでもないけれど、久しぶりに読み返してみた。 まるで赤瀬川原平の人生の総括のような本だと思った。 この本で触れていないのは、「新解さん」と「櫻画報」ぐらいなのではないだろうか。 …
誤解を恐れず言えば、なんて変わった人なんだろうと思った。 別に奇矯なのではないが、当たり前のことを大声で言い立てるような奇妙さだ。 時事ネタを取り上げてあれこれ言うのだが、ものすごく真っ当なことしか語っていない。 真っ当なのだが、それを大事で…
久しぶりに読み応えのある評論だと思った。 読み応えがあるからといって、それは難解だということではない。 むしろ、すらすらと読めるのだ。 東日本大震災での日常と非日常という話から始まり、村上春樹の評論、「ビッグ・ブラザー」の自壊から「リトル・ピ…
引き続きあまり手を伸ばさない分野の本を読む。 この本は、1968年に世界史的なターニングポイントがあったと主張している。 その論旨は、新左翼党派の動きを追いかけていくことで示している。 この本に登場するタームの多くは、恐らく自分より下の年代にはあ…
世代で語ったり、時代を語ったりすることに、意味が無いと思っている。 だが時々、そういう感想をここに書いてしまうのは、実は面倒になっている時が多い。 1980年代の雰囲気、と言ってみたところで、自分が何を感じていたのかなんて、何も説明していないし…
大学のときのゼミの教材を読み返してみる。 新書ながら、一揆の基本的な要点を押さえている好著だと思った。 法制史的に言えば、一揆とは公家法でも武家法でもない、私的な契約関係と考えられるということだったか。 改めて読み直してみると、集団論理的な面…
例えば、全く興味を失ってしまった分野の本を読み返してみる。 が、思うようにはかどらない。 気がつけば、本を持つ手は膝に落ちて、眠ってしまっている。 買ったのは高校生か大学生ぐらいだろう。 もう理由も覚えていないが、高校生にとって、文庫クセジュ…
シオランの散文はアフォリズムとちょっと印象が異なる。 序文によれば、この本は1957年から1958年にかけて書かれ、1956年のハンガリー動乱が背景にあるらしい。 何度かソビエトに対する記述があるが、仮借なきまでに叩きのめすその様は、熾烈を極めていると…