存在の困難さ
シュルレアリスムとは何だったのか?
という問いかけと意義を考察している。
一番の特徴は、1980年代に書かれている点、つまり1960年代以降の現代フランス思想を通過した上での考察であること。
内容は濃く、示唆にも富んでいるので、要約することは出来ない。
シュルレアリスムが現在にどう存在しうるか、という点に考えが広がる。
一般的な「シュール」という言葉に表されるような感覚、イメージ、言い回しではない、精神の在りようが考えるべきポイントなのではないだろうか?
著者も書いている通り、ブルトンを頂点とする帝国でもなく、ブルトン vs 追放者の対立運動でもなく、それぞれのシュルレアリストがシュルレアリスムという言葉の下に何を追及しようとしたのか、それを理解する必要があると思う。
レッテルとしてのシュルレアリスムからは見えてこない本質は何か、そんなことに想いを馳せる。
(未完)