雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

インド夜想曲/アントニオ・タブッキ


偶然の出会いが忘れられないものとなる

インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)


この本との出会いは、本当に偶然だった。
何気なく手にとって、ぱらっとめくった扉に、ブランショの言葉が引用されていて、それでもう買う気になったのだった。


タブッキはイタリアの作家であり、ポルトガルの詩人、ペソアの研究者としても有名、というのは読んでから知った。
イタリア人がインドを舞台とする小説を書いた、しかも、フランスの思想家の言葉が扉に引用されている。
そんなまとわりついてくる情報がどうであれ、掛け値なしに、この本自体が素晴らしい。


筋書き自体がこの本の魅力であるため、ここでは詳しく記載しない。
だが何度でも読みたくなり、読むたびに感動する魅力が、この本にはあると思う。