バブルの香り
- 作者: 糸井重里
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1984/04
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
日常のネタを誇張し(または裏返して)短編に仕立てている。途中まで読み返したのだが、80年代の頃の香りがしてきた。70年代までの新左翼の挫折が見え隠れしつつ、80年代の浮かれた気分が出てきている。こういうスタンスがクールだったのかと思うと、やはり時代の距離を感じる。明らかに、こういうスタンスで捉えられない所で、糸井重里は徳川埋蔵金を追うことになり、社会の雰囲気は悪い方向への力は動き、バブルといわれる時代の浮かれた気分は弾けたし、厄介な問題は大きくなっていったのだろう。