雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

金沢・酒宴/吉田健一


きせつもの

金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)

金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)


金沢に行ったのは夏だったと思うが、この本を読んだのはいつだったろうか?読んだ当初はこんな小説があること、吉田健一という作家がいたことが、すごい発見だったように記憶している。その頃入手できる吉田健一の文庫は手に入れようと、あちこちの本屋を探し回った。(中公文庫で少しだけ残っていた)その時の印象で読み返し始めたのだが、何かが今ひとつしっくりこない。金沢に行った記憶とこの本の印象が混ぜこぜになっているのだろうか?金沢の料理は美味しく、町並みは風情があって、それが下敷きで古今東西の博識をパラパラといやみでない程度に振りかけて、といった小説なのであるが、何かが違う。何が違う?季節か?冬に読むべきだったか?ということで中断して、本棚にしまいこむ。