雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

砂の本/ホルヘ・ルイス・ボルヘス


自分と自分の癖に折り合ってゆく


短編小説の醍醐味はそのプロットにある、と言ったのは誰だったろうか?ボルヘスにおいては、それが全てに近いと思う。少なくともこの短編集に収められた作品たちは、物語の枠組みの妙が魅力になっているし、ボルヘス自身の後書きでもそんな解説をしている。感情に訴える小説ではなく、純粋に知的な愉しみとしての小説とでも言うべきか?
ボルヘスに辿り着いたのは、澁澤龍彦だったかもう定かではないが、幻想文学として括られることに違和感を感じていたし、他の中南米の作家たち(マルケスとか、カサレスとか、パスとか)とも違ったものがあった。(もっとも、国や地域で作家を括ることは、あまり意味が無いが)愛書狂とでも言うべきブッキシュなモチーフはニヤリとする。
改めて読んでみて、東京No.1Soulsetのフローの一節が、この本にあったことを発見したのだった。


持っているのはソフトカバーの単行本だが、文庫も出ているようだ

砂の本 (集英社文庫)

砂の本 (集英社文庫)

こちらは新版だろうか?
砂の本 (集英社文庫)

砂の本 (集英社文庫)