雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

おくのほそ道/松尾芭蕉


旅へ

芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)

芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)


久しぶりに古典を読み返して見るのも良い。「おくの細道」は江戸時代なので、割と読みやすい。改めて解説する必要もないけれど、地の文は淡々とした事実の羅列に近い感じで続き、時折、挿入される句が心情に近いように思った。だが、俳句は心情の吐露を、モノや風景に託すので、ある種、実験的な小説に近いようにも見える、というのは、うがちすぎだろうか?しかし俳句においては、極大と極小、静と動、といった対比をイメージさせることでの詩情があるし、普通には結びつかないものを結びつけたことでの対比から生まれるイメージの広がりやユーモアがあるのだ。それは、シュルレアリスムにおけるイメージの対比にも近いような気がしている。
ともあれ、旅に出たくはなるのだった。