はじめにことばありきならば
言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの (講談社学術文庫)
- 作者: 丸山圭三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10/11
- メディア: 文庫
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この本を読んだのは、新書版の時。バブルの名残がまだ残っている頃だったか?丸山圭三郎はソシュール研究の第一人者である。その辺りの、ソシュールに対する解釈の新しさといったことはあまり興味がなく、ソシュールを下敷きに展開する無意識論がとても刺激的だった。
ということで、再読してみた。
ざっと言えば、言葉が無意識を分節化し、肉体を分節化し、自我を分節化し、世界を表出させるのだ。全ては、言語という過剰を持ってしまった存在に起因するのだ。
だがそんなことよりも、今回気づいたのは、シュルレアリスムに批判的だったということであった。無意識を徒に弄ぶといった、いわば通説的な批判であるように思えた。
果たして、丸山理論にとってシュルレアリスムは戯れに過ぎないのであろうか?、そんなことを考えてしまう。たしかに、シュルレアリスムは無意識を実体であるかのように扱っている一面もある。だが、自動記述における表出は、言語による分節化への試みと方向は同じではないだろうか?(・・・もう少し考えてみる必要がありそうだ)
言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの (講談社現代新書)
- 作者: 丸山圭三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/06
- メディア: 新書
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