短いということ
- 作者: 永田耕衣
- 出版社/メーカー: 春陽堂書店
- 発売日: 1992/09
- メディア: 文庫
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俳句は世界で一番短い詩だと言われている。その、5・7・5のたった17音は、詩的な抒情に溢れていなければいけなくて、より硬度の高い言葉であるはずだろう。そしてそれだけで世界を内包し、世界の特異な1点であるかのような言葉なのだろうと思う。改めて、永田耕衣を読んでみると、初期の頃から「死」と「諧謔」に溢れている。死を思わせる言葉が、ともすると笑いに繋がっているのだが、それは皮肉めいた黒い笑いではない。そこにあるのは、死をも笑いで超えていこうとする詩の世界のように思う。