雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

永田耕衣―自選三百句


短いということ


俳句は世界で一番短い詩だと言われている。その、5・7・5のたった17音は、詩的な抒情に溢れていなければいけなくて、より硬度の高い言葉であるはずだろう。そしてそれだけで世界を内包し、世界の特異な1点であるかのような言葉なのだろうと思う。改めて、永田耕衣を読んでみると、初期の頃から「死」と「諧謔」に溢れている。死を思わせる言葉が、ともすると笑いに繋がっているのだが、それは皮肉めいた黒い笑いではない。そこにあるのは、死をも笑いで超えていこうとする詩の世界のように思う。