雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

伝奇集/ホルヘ・ルイス・ボルヘス


終わらない夢のように迷宮へ

伝奇集 (岩波文庫)

伝奇集 (岩波文庫)


熱があるときこそ、と思ってボルヘスを取り出す。かなり昔に買ったので、本棚の奥の列の方だ。前側の本を退かして探し出すと、隣にはR.シュタイナーの「アカシア年代記より」がいる。そういえば読んでいなかった。ボルヘスは小説の構造にこだわり、形式を試みる小説家の一人だと思う。もう一人は、スタスワフ・レム。他は知らない。とりあえず読み始めたのだが、話の構造を理解しようとするので、なかなか読み進まない。とはいえ、初めからありえない地名が記載されている百科事典やらで、一気に連れ去られてしまう。ボルヘスの短編の中でも最も好きなほうにある「バベルの図書館」を読んで、今回はちょっと満足した。ふと思ったのだが、ボルヘスの本はスピリタスのような濃い酒で、体調の良いときでないと悪酔いしそうな気もする。今日は天気が良いので、いったんボルヘスは棚の奥へとしまい直し、別の本へと移ることにしたのだった。


伝奇集 (ラテンアメリカの文学 (1))

伝奇集 (ラテンアメリカの文学 (1))

持っているのはこちらのハードカバー