雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

わが「転向」/吉本隆明


ハイスピードの

わが「転向」 (文春文庫)

わが「転向」 (文春文庫)


転向とは何か?
老成した吉本隆明が、再び転向を論じている。
吉本隆明の初期の「転向論」とは異なりながら、転向のその本質を探っている。
その現在に追いつこうという姿勢が、吉本隆明たる所以であるようにおもう。
狭い意味での転向ではなく、時代の変節を捉えようとすること、資本主義世界における革命の可能性を、いわゆるマルクス主義系の思想の呪縛を離れて考えること、都市をひとつのテクストとして読み解くこと、それらの試みを自ら解説しているのだと思う。
自分が吉本隆明の年になった時を想像すると、そのスピード感は真似することが出来ないような気がする。