雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

インドへ/横尾忠則


あこがれとかまぼろしのようなもの

インドへ (文春文庫 (297‐1))

インドへ (文春文庫 (297‐1))


横尾忠則の作品がどうだとかそういったことではなく、インドに憧れるのはなぜだろうかということに気が向いている。インドをどのように捉えるのか、それは異文化に接する態度の問題でもあり、他者性の問題でもあり、コミュニケーション/ディスコミュニケーションの問題でもある。この旅行日記では幻想のインドを見ている、と、横尾忠則自身も書いているように、ここにあるのは横尾忠則の内部であり、「インド的」なイメージである。インド哲学の精神性と貧困の悲惨さ、UFOだとかオカルト系の発言だとか、それらはインド的なるモノの系列であり、それを確認して行く旅のように見える。それがどうしたのかといわれるとどうもしないのだから、結局読み通せずにまた本棚へしまいこんだのだった。