あこがれとかまぼろしのようなもの

- 作者: 横尾忠則
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1983/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
横尾忠則の作品がどうだとかそういったことではなく、インドに憧れるのはなぜだろうかということに気が向いている。インドをどのように捉えるのか、それは異文化に接する態度の問題でもあり、他者性の問題でもあり、コミュニケーション/ディスコミュニケーションの問題でもある。この旅行日記では幻想のインドを見ている、と、横尾忠則自身も書いているように、ここにあるのは横尾忠則の内部であり、「インド的」なイメージである。インド哲学の精神性と貧困の悲惨さ、UFOだとかオカルト系の発言だとか、それらはインド的なるモノの系列であり、それを確認して行く旅のように見える。それがどうしたのかといわれるとどうもしないのだから、結局読み通せずにまた本棚へしまいこんだのだった。