雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール/沢木耕太郎


旅を続ける理由

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)


2巻目は、バンコクからシンガポールに至るマレー半島である。
だがここにあるのは、微妙な不協和音であり違和感である。
そこで出会う娼婦やヒモ、そして学生、子供たちなどにフォーカスがあたる。
そして、旅を始めた理由がやがて明かされる。
また同時に違和感の理由が明かされる。
そこにあるのはモラトリアム感覚だと著者は記すが、その実はスピリチュアル・エマージェンシーであり、無意識が意識の成長に必要な兆しを示していたとでも読めるのでは無いだろうか?
そして、旅を続ける理由に向かって徐々に歩みだしてゆく。