ははというもの
- 作者: 寺山はつ
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/03
- メディア: 文庫
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寺山修司の母が、寺山修司の人となりを回想している。
それは作家を分析するための視線ではなく、あくまで個人的な親子の関係における視線である。
母という存在、そして息子という存在、親子という関係性での母の視線、それはいくつになっても変わるものではない、ということがよくわかる。
寺山修司を、というより、修ちゃんとして見つめ続けている母の視線が、痛いくらいに伝わってくる。
寺山修司の作品に登場する母は、「母」という物語性の存在であることが、裏側から補強されているようだ。