雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

寺山修司のいる風景―母の蛍/寺山はつ


ははというもの

寺山修司のいる風景―母の蛍 (中公文庫)

寺山修司のいる風景―母の蛍 (中公文庫)


寺山修司の母が、寺山修司の人となりを回想している。
それは作家を分析するための視線ではなく、あくまで個人的な親子の関係における視線である。
母という存在、そして息子という存在、親子という関係性での母の視線、それはいくつになっても変わるものではない、ということがよくわかる。
寺山修司を、というより、修ちゃんとして見つめ続けている母の視線が、痛いくらいに伝わってくる。
寺山修司の作品に登場する母は、「母」という物語性の存在であることが、裏側から補強されているようだ。