雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

生誕の災厄/E・M・シオラン


談笑

生誕の災厄

生誕の災厄


生まれたことが失敗だという。
生きていること、人間という存在、存在の根本を否定する。
アフォリズムだから、何か体系だったものがあるわけではない。
シオランの吐く言葉自体がひとつの存在であるかのようにそこにあるのだ。
良く判らないのもある。
だが、あまりに的確で容赦ないのもある。
読み進んでいくうちにそれらの言葉は胸に刺さってくるのだ。
そこにあるのは徹底的に否定しようとする姿勢のような気がする。
あらゆる主義を否定する主義、そんな皮肉めいた笑いの感覚と向き合っているような気がする。