雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

環状線

いまさら説明する必要も無いが、東京で言うなら山手線のような、ぐるぐる廻る路線の電車のことなのだが、ちょっと気になってwikiを見てみると、大阪環状線名古屋市営地下鉄富山市電といったのもあるらしい。
いやいや、環状線そのものについて、何か書こうとしたのではなかった。
安部公房の初期の短編に「名もなき夜のために」というのがある。
この作品の主人公は、環状線に乗って夜更けまで本を読むのだが、それを読んだ時、その手があったか、と思った。
当時は高校生なので、本を読むのは家の中か、図書館ぐらいだった。
でも、家は家族の物音が気になるし、図書館は同級生に遇いそうだし、かと言って公園で読んだり、喫茶店で読む、というのはちょっと落ち着かない。
当時はスタバもタリーズも無かったし。
それに喫茶店に行くお金があったら、その分で1冊100円の古本を買い漁ったと思う。
それで、環状線である。
通学定期を持っていたので、そのまま山手線まで乗り継いで行ける。
駅から出なければ、電車賃もかからない。(本当はいけないのだろうけど)
で、時間ができた日曜日にやってみた。
外の景色を眺めるでもなく、ただ座って本を読んでいた。
2周ぐらいは読み耽ったと思う。
時間にして約2時間ぐらいだろう。
ホームに降りると、目が廻っていた。
大きな円を描いて走っている所為なんだろうか。
それでも何度かやったと思う。
今はもうやらない。