今更ながらに澁澤龍彦を読み返してみる。
あとがきで本人が自分のスタイルを見つけた一冊だと書いている。
1960年代に書かれたということもあるのか、文章はやや生硬な感じがする。
いや、そうではない。
この本におけるエッセイは、あるテーマの下に様々なエピソードを連ねていく。
それは時系列でもなく、イメージの連想にも似た修辞法のように思える。
だがその修辞法がまだ、今ひとつしっくり来ないのだ。
様々なエピソードを並べるだけでなく、そこに意味を持たせようとしてしまっている。
だが意味を見出すのは読み手である。
その辺りがぎこちない理由であろう。
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/06/03
- メディア: 文庫
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