日本各地で採集した昔話が、100編以上収められている。
それを一気に読むと、流石に食傷気味になる。
しかも各地の方言が入り乱れ、正直なところ読み易いものではない。
様々に語られた昔話から、そこで暮らす人々の心象を探りたいと思ったわけでもない。
ここには作者がいるのだろうけれど、明確な輪郭を持った個人ではない。
かと言って、何かの共同体を代表するようなものでもないだろう。
恣意的に拾い上げられた物語のかけらのようなもの、と思えばいいのかもしれない。
語られ方によってはもっと面白くなりそうなのもあり、面白く語っているのだろうけれど、その面白さが判らないものもある。
物語としての強度のようなもの、或いは語られる速度のようなもの、そういった洗練さに結びつく要素が決定的に欠けているのかもしれない。
こぶとり爺さん/かちかち山 (岩波文庫 黄 236-1 日本の昔ばなし 1)
- 作者: 関敬吾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1975/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: 関敬吾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1975/01/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
一寸法師・さるかに合戦・浦島太郎 (岩波文庫―日本の昔ばなし)
- 作者: 関敬吾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1975/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (3件) を見る