茶道というものに興味が無いわけではないけれど、どうも自分には合わない気がする。
だが、茶室やら茶そのものには、何とはなしに惹かれるものがある。
もてなしとしての茶会が開きたいわけでも、そこに招かれてみたいわけでもない。
ましてや、そこで人間としての器を測られてしまうのだとしたら、恐ろしくさえもある。
そうではなく、茶室という空間で、感覚を研ぎ澄ます、という行為に興味がある、というのが近いような気がする。
生活とは切り離された空間で、ただ茶を呑む時間を過ごす、そんなことがしてみたいのかもしれない。
この本では様々な茶会のスタイルが紹介されている。
なるほどなとは思うが、そこに魅力を感じてはいない。
高橋睦郎の茶席に演劇性を見出す「茶の湯というドラマ」、安藤雅信の表現者主体の芸術観からの脱却を示唆する「茶道の前衛性」の二つのエッセイが面白かった。

- 作者: コロナ・ブックス編集部
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 大型本
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