雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

茶の湯のススメ

茶道というものに興味が無いわけではないけれど、どうも自分には合わない気がする。
だが、茶室やら茶そのものには、何とはなしに惹かれるものがある。
もてなしとしての茶会が開きたいわけでも、そこに招かれてみたいわけでもない。
ましてや、そこで人間としての器を測られてしまうのだとしたら、恐ろしくさえもある。
そうではなく、茶室という空間で、感覚を研ぎ澄ます、という行為に興味がある、というのが近いような気がする。
生活とは切り離された空間で、ただ茶を呑む時間を過ごす、そんなことがしてみたいのかもしれない。
この本では様々な茶会のスタイルが紹介されている。
なるほどなとは思うが、そこに魅力を感じてはいない。
高橋睦郎の茶席に演劇性を見出す「茶の湯というドラマ」、安藤雅信表現者主体の芸術観からの脱却を示唆する「茶道の前衛性」の二つのエッセイが面白かった。


茶の湯のススメ (コロナ・ブックス)

茶の湯のススメ (コロナ・ブックス)