何となく食べ物の本が読みたくなる。
かと言って、吉田健一や内田百けんを読みたい気分ではない。
高橋睦郎の「詩人の食卓」もふと頭をよぎったが、今回は止めておこうと思った。
それで、結局、杉浦日向子に手が伸びてしまう。
この本は、「柳多留」から選んだ川柳を解説しながら、折々の食べ物の話に触れる。
その距離感が何とも絶妙だと思った。
読んでいくうちに、秋刀魚や里芋が食べたくなってきた。
特段に美味いものを紹介しているのでもないけれど、引き込まれて腹が減ってくる。
何とも心憎い本だと思う。
- 作者: 杉浦日向子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/05/30
- メディア: 文庫
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