雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

大江戸美味草紙(おおえどむまそうし)/杉浦日向子

何となく食べ物の本が読みたくなる。
かと言って、吉田健一内田百けんを読みたい気分ではない。
高橋睦郎の「詩人の食卓」もふと頭をよぎったが、今回は止めておこうと思った。
それで、結局、杉浦日向子に手が伸びてしまう。
この本は、「柳多留」から選んだ川柳を解説しながら、折々の食べ物の話に触れる。
その距離感が何とも絶妙だと思った。
読んでいくうちに、秋刀魚や里芋が食べたくなってきた。
特段に美味いものを紹介しているのでもないけれど、引き込まれて腹が減ってくる。
何とも心憎い本だと思う。


大江戸美味草紙(むまそうし) (新潮文庫)

大江戸美味草紙(むまそうし) (新潮文庫)