引き続きルソーを読む。
この本は最晩年の著作らしい。
何故この本を買ったのか、もう覚えていないのだけれど、ろくに読まずに本棚に残っている。
もしかすると、江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』と勘違いしたのだろうか?
だとすると、相当間抜けな話だ。
ルソーの人となり、作品には興味はない。
どうやら、ルソーは社会的に見捨てられ、狂気の淵を彷徨うかのような状態までなったようだ。
社会的存在として抹殺され、それでもなお自分の内面を見つめようとする。
嘘を分析し、過去の嘘を告白し、思い出の家、植物の採集を振り返り、過去の善行を振り返る。
周りの人々の仕打ちも振り返るのだが、恨み辛みを紡ぎ出すのではない。
いったい、ルソーは誰に向かって、言葉を発しているのだろうか。
それは恐らく自分自身なのだ、と思った。
孤独と黙想の中に身を潜めて、それでもなお言葉を紡ぐルソーの姿が痛々しい。
- 作者: ルソー,青柳瑞穂
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