雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ナボコフの一ダース/ウラジミール・ナボコフ

買ったのはもう何年前だったろうか。
当時読んだであろうけれど、まったく記憶が無い。
改めて読んでみると、なかなか良い短編集だと思った。
1ダースといいながら、13編の作品が収められている。
それぞれが異なった味わいで、何ともいえない味わいがある。
きっと初読の時には、それが判らなかったろうと思う。
SFだろうと期待して、買ったのではないかと思うのだ。
さて
各作品には亡命ロシア人達が、度々登場する。
ロシア革命によって、故郷を追われ、パリやアメリカにいる。
何故かその姿が、印象に残ったのだ。
また、様々な語り口で、物語が綴られる。
例えば、「城、雲、湖」や「一家団欒の図、一九四五年」などは、カフカボルヘスの短編を連想した。
もっと、ナボコフを読み直してみるのも良いかもしれない。


ナボコフの一ダース (1979年) (サンリオSF文庫)

ナボコフの一ダース (1979年) (サンリオSF文庫)

持っているのはサンリオSF文庫版。
奥付によると、1982年7月5日の第二刷。
そして改めて気づいたのだけれど、当時、サンリオは五反田TOCの1Fにオフィスがあったようだ。


ナボコフの一ダース (ちくま文庫)

ナボコフの一ダース (ちくま文庫)

ちくま文庫でも出ていたようだ。


なお、収録されているのは以下の通り。


フィアルタの春
忘れられた詩人
初恋
合図と象徴
アシスタント・プロデューサー
夢に生きる人
城、雲、湖
一家団欒の図、一九四五年
「いつかアレッポで……」
時間と引き潮
ある怪物双生児の生涯の数場面
マドモアゼルO
ランス