買ったのはもう何年前だったろうか。
当時読んだであろうけれど、まったく記憶が無い。
改めて読んでみると、なかなか良い短編集だと思った。
1ダースといいながら、13編の作品が収められている。
それぞれが異なった味わいで、何ともいえない味わいがある。
きっと初読の時には、それが判らなかったろうと思う。
SFだろうと期待して、買ったのではないかと思うのだ。
さて
各作品には亡命ロシア人達が、度々登場する。
ロシア革命によって、故郷を追われ、パリやアメリカにいる。
何故かその姿が、印象に残ったのだ。
また、様々な語り口で、物語が綴られる。
例えば、「城、雲、湖」や「一家団欒の図、一九四五年」などは、カフカやボルヘスの短編を連想した。
もっと、ナボコフを読み直してみるのも良いかもしれない。
- 作者: ウラジミール・ナボコフ,中西秀男
- 出版社/メーカー: サンリオ
- 発売日: 1979/09
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
奥付によると、1982年7月5日の第二刷。
そして改めて気づいたのだけれど、当時、サンリオは五反田TOCの1Fにオフィスがあったようだ。
- 作者: ウラジミールナボコフ,中西秀男
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/04
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
なお、収録されているのは以下の通り。
フィアルタの春
忘れられた詩人
初恋
合図と象徴
アシスタント・プロデューサー
夢に生きる人
城、雲、湖
一家団欒の図、一九四五年
「いつかアレッポで……」
時間と引き潮
ある怪物双生児の生涯の数場面
マドモアゼルO
ランス