セネカはローマ時代の哲学者。
この本には、「人生の短さについて」「心の平静について」「幸福な人生について」の3篇が収められている。
乱暴にまとめてしまえば、他人に振り回され自分自身に配慮しない人生は短く感じるということ、善きことに自信を持って行うことで平静を保てること、そして、完全なる善を目指して生きることが幸福であること、そんなところだろうか。
どうしてだか、読んでも響かない。
善とか神とか言われてしまうと、何だか距離を感じてしまう。
この距離は何だろうか。
ローマ帝国という時代背景に対する、ストア派哲学者という立場の関係が、いまのこの瞬間の世界との関係との間に距離があるのだろうか。
つまり、冒頭に乱暴にまとめたような、己自身の問題へと還元させていくような思考では、いまのこの瞬間には、何の役にも立っていないのだ、と思っているからだろう。
いや、役に立つ/立たない、という言い方では、少し不正確だ。
いまのこの瞬間の困難さに太刀打ちできやしない、といった方が近いかもしれない。
- 作者: セネカ,茂手木元蔵
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- 作者: セネカ,大西英文
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- 作者: セネカ,浦谷計子
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