川上弘美氏の本を読むのは、これで二冊目である。
ハマってしまったと言うべきかもしれない。
この本は、恋愛小説の短編集だと思った。
だが、そう思ったとたんに、そう言い切る自信がなくなってきた。
男と女が登場して、主人公の女性が相手の男性とどうにかなりたいと思っているが、それは恋愛小説と言って良いものだろうか。
あるいはポルノ小説のように交わる主人公達が登場するが、そこで女性が「アイシテルンデス」と言ってしまうことが妙だと感じているのは、果たして恋愛小説なのだろうか。
だが、きっとこれは自分には理解できない「女性的なるもの」が、そこにはあるような気がする。
判っているのかいないのかと言えば、判っていないのだろうけれど、女性が思うことの何かを著している恋愛小説なのではないかと思う。
つまりそれは、川上弘美という作家の描く小説の女性に、心を奪われていることに他ならないのではないか。
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/09
- メディア: 文庫
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