何年ぶりかに読み返してみた。
リアルタイムに読んでいたのは、中高生の頃だったろう。
芸能界をネタにしたストーリーが陳腐だとか、80年代的なスカしたコマ割りだとか、そんなことが何だというのか。
やがて、「SEX」で描かれることになる、ある種の特別な時間のようなものが、少し見えているような気がする。
だがそれを、いまここで肯定するわけにはいかないのだけれど、そこにあったことだけは覚えておくべきかもしれない。
ただしそれは、自分にとってであり、何ら普遍性も、根拠すら無いのだけれど、どこかで同じことを思う誰かが居ないとも限らない。
上條淳士の漫画に何を読み取るのか。
肯定すべきものと否定すべきものが、紙一重で存在しているように思う。
どちらを選択しても、もう一方を否定したことにはならない様な選択肢。
否定することも肯定することも賛美として響いてしまうような言葉。
それはまるで、10代の記憶のようだ。
TO-Y 全10巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]
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