雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

七つの夜/ホルヘ・ルイス・ボルヘス

どうしても気になっていたので買ってしまった。
この本は、1979年、ブエノスアイレスのコリセオ劇場での講演集であり、テーマは
 神曲
 悪夢
 千一夜物語
 仏教
 詩について
 カバラ
 盲目について
の七つである。
穏やかに、時にはユーモアを交えながら語られる、それぞれのテーマに惹きつけられる。
ダンテの神曲は、高校生の頃に1回読んで、遥か昔に手放してしまったが、改めて読んでみたいと思うし、なかなか手を伸ばせなかった千一夜物語も読んでみたいと思った。
そして、ボルヘス自身の盲目について語っている。
その締めくくりはこうだ。

盲目とは、運命もしくは偶然から私たちが授かる、とても不思議な道具のひとつであるにちがいありません。

テーマを縦横無尽に語り、その根底にあるこの明るさが、この本の魅力であり、また一つ、手放せない本が増えてしまった。
表紙の写真も良い。

七つの夜 (岩波文庫)

七つの夜 (岩波文庫)

ハードカバーの方の表紙も良いな
七つの夜

七つの夜