時々、ビリー・ホリデイが聴きたくなる。
何故だかは判らない。
当然ながら、自分が生まれる前に亡くなっているし、親達が聴いていたわけでもない。
(小さい頃、父方の祖父母が浪花節を聞いていたのは覚えている)
独特の声の響きと、そこに漂うものに魅かれているのだろうか。
いまさら、ビリー・ホリデイの生涯について、ここで書き連ねはしない。
この本は、彼女の自伝である。
何と言ったら良いか判らないが、ともかく壮絶な人生だ。
日本人で男で凡人の私には、到底及びもしない場所だ。
想像しても想像しきれないし、判ったようなふりをすることすらできはしない。
だがそれを、偉ぶるわけでもなく、悲嘆に暮れるわけでもなく、時に怒りを込めて語っていく。
ただの恨み節ではない。
時に最悪な状態にあっても、そこから抜け出してきた彼女の姿が、神々しくも思えてくる。
彼女の歌声の中にある、ある種の諦念のような、物悲しい響きが、その語りの中にもあるように思った。
そして、読み終えて、何かチカラのようなものを貰ったような気がする。
- 作者: ビリー・ホリデイ,油井正一,大橋巨泉
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