雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ビッグ・サーの南軍将軍/リチャード・ブローティガン

これでブローティガンの日本語で読める本は全て読んでしまった。
どんな話かと言うと、何とも説明がし辛いが、馬鹿騒ぎと虚しさの物語だと言ってみる。
ビッグ・サーに住むリー・メロンと彼に出会った語り手のジェシー、そしてリーのパートナー?のエリザベス、そしてジェシーのパートナーのイレーヌが話の中心だ。
何とも他愛の無い話といえばそうなのだけれど、詠み進むにつれて深まる空虚は一体何なのだろうか。
幻想的だとか言うのではない。
ありもしない話の様でもあり、ありふれた話の様でもある。
馬鹿騒ぎのようなエピソードの数々はくだらないし笑えるのだけれど、そこには大きな空虚が口を開いている。
さしずめ、木村敏氏ならポスト・フェストゥム的な時間と言うのかもしれない。

ビッグ・サーの南軍将軍 (河出文庫)

ビッグ・サーの南軍将軍 (河出文庫)