これでブローティガンの日本語で読める本は全て読んでしまった。
どんな話かと言うと、何とも説明がし辛いが、馬鹿騒ぎと虚しさの物語だと言ってみる。
ビッグ・サーに住むリー・メロンと彼に出会った語り手のジェシー、そしてリーのパートナー?のエリザベス、そしてジェシーのパートナーのイレーヌが話の中心だ。
何とも他愛の無い話といえばそうなのだけれど、詠み進むにつれて深まる空虚は一体何なのだろうか。
幻想的だとか言うのではない。
ありもしない話の様でもあり、ありふれた話の様でもある。
馬鹿騒ぎのようなエピソードの数々はくだらないし笑えるのだけれど、そこには大きな空虚が口を開いている。
さしずめ、木村敏氏ならポスト・フェストゥム的な時間と言うのかもしれない。

- 作者: リチャードブローティガン,Richard Brautigan,藤本和子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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