雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

光車よ、まわれ!/天沢退二郎

しばらくぶりに読み返して、やはり素晴らしいと思った。
この本は、詩人の天沢退二郎氏によるジュブナイルである。
もしかすると、ジュブナイルが好きなのかもしれない。
主人公に超人的な能力があるわけでもないのだけれど、突然、世界が変質するところから物語は始まり、少年少女たちは知恵と勇気で冒険し、悪と戦う。
この物語の粗筋を書いてしまっては、おそらく、この本の楽しみの8割を失ってしまうので、ここでは書かない。
そして天沢退二郎氏について、いまさらな何か書く必要も無いだろう。
何か書くとしたら、天沢退二郎氏の散文詩に感じる、薄暗い不安気なせ界が、この物語にも共通していると思った。
何か不条理で暴力的なものが、漂っているのだけれど、それはフィクションだからというわけではないだろう。
主人公の少年少女たちが冒険を成し遂げても、この世界の不条理は解消しない。
それが、この物語を気に入ったポイントなのかもしれない。

光車(ひかりぐるま)よ、まわれ! (ちくま文庫)

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持っているのはちくま文庫
他にもたくさん出ているようだ
光車よ、まわれ! (ピュアフル文庫)

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光車よ、まわれ! (ポプラ文庫ピュアフル)

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復刊もされたようだ
光車よ、まわれ! (fukkan.com)

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