しばらくぶりに読み返して、やはり素晴らしいと思った。
この本は、詩人の天沢退二郎氏によるジュブナイルである。
もしかすると、ジュブナイルが好きなのかもしれない。
主人公に超人的な能力があるわけでもないのだけれど、突然、世界が変質するところから物語は始まり、少年少女たちは知恵と勇気で冒険し、悪と戦う。
この物語の粗筋を書いてしまっては、おそらく、この本の楽しみの8割を失ってしまうので、ここでは書かない。
そして天沢退二郎氏について、いまさらな何か書く必要も無いだろう。
何か書くとしたら、天沢退二郎氏の散文詩に感じる、薄暗い不安気なせ界が、この物語にも共通していると思った。
何か不条理で暴力的なものが、漂っているのだけれど、それはフィクションだからというわけではないだろう。
主人公の少年少女たちが冒険を成し遂げても、この世界の不条理は解消しない。
それが、この物語を気に入ったポイントなのかもしれない。
- 作者: 天沢退二郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1987/05
- メディア: 文庫
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他にもたくさん出ているようだ
- 作者: 天沢退二郎,スカイエマ
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2008/09/10
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- 作者: 天沢退二郎
- 出版社/メーカー: ポプラ社
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- 作者: 天沢退二郎
- 出版社/メーカー: ブッキング
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