前にも読んだが、気になって買い直して、読み返してみた。
だが、どうにも違和感がある。
沈思黙考し、死を想い、何物にも心を乱されない境地に至れ、と言っているようなのだ。
が、そのように生活できるのは、限られた境遇の人々なのではないだろうか。
もっと言えば、そのようには生きてゆくことはできない世の中なのかもしれない。
だがここで、現代批判を展開させたい訳でもない。
むしろ、人間の有り得べき姿を描き出すことは、哲学の一つの使命なのかもしれない、とすら思っている。
だが、この本に展開される命題をただ理解するのではなく、自らの行動指針として展開するのは、非常な困難が伴うのではないだろうか、と考えたのだ。
生活から浮遊し、永遠の相の下に位置づける、そんなことが可能だったのだろうか。
逆に、その不到達性ゆえに価値があるのかもしれない。
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