雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

馬敗れて草原あり/寺山修司

ふらっと立ち寄った古本屋で、105円で買った。
もともと競馬には興味が無い。
だが、寺山修司の筆致によって、そこに何かがあるような気にさせる。
たかが馬の競走、ということではなく、だが、データに基づいた予想ゲームということでもなく、人生の悲哀を畳み込んだドラマを描き出す。
しかし、それが安っぽいのは何故だろう。
まるで、三文芝居か、低予算のTVドラマみたいだ。
だがそれも判っていたことではないかと、もう一人の自分は思っている。
安っぽさを逆手にとって、物語を紡ぎ出しているのだから、いまさらどうこういう話ではないだろう、と。
つまりは、寺山修司を読むことは、今の気分ではなかったのだ。
何だかもったいない読書に時間を費やしているのではないか。


馬敗れて草原あり (角川文庫)

馬敗れて草原あり (角川文庫)