古本屋で見つけて散々悩んだ挙句買うことにした。
星野博美氏の代表作のようだ。
中国返還前後の香港に滞在した記録である。
紀行でもなく、ガイドブックでもない。
日々起こる出来事が記され、香港という都市、香港人という人々、といったものが浮かび上がってくる。
だが同時に、これは星野氏の個人的な経験の記録であり、幾分、そこに肩入れできかねるのも事実だろう。
焦燥感だとか不安だとか、それを読む読者は意識されていないようだ。
だから読み進むうちにある種の胸苦しさを覚える。
体調のあまり良くない時には、この本は読まない方が良いだろう。
こういう言い方もどうかとは思うが、他に良い言い回しを思いつかないので敢えて書くのだが、無神経にずかずかと入り込んでいくような感じがした。
- 作者: 星野博美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
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