どうやら、ラフカディオ・ハーンを誤解していたようだ。
どこかで、ヴェンセスラウ・デ・モラエスと混同していたのだと思う。
しかも、どちらがどうだったのか忘れているような始末の悪さだ。
ともあれ、ハーンを読んで思ったのは、案外、政治的な言説が多いな、ということだ。
その文脈を正しく理解できていないが、新興国である日本とイギリスとのシンパシーのようなものが現れているように思った。
その一方で外国人居留地における日本人の勢力拡大を取り上げ、西欧人たちに警鐘を鳴らすといった立場も取っている。
ただの日本贔屓でも無いようにも思うが、その肩の入れようはどう考えればいいのか。
その後勃発する第一次世界大戦でのイギリスに対抗する陣営への共同戦線の一員として、新興国日本を捉えていたのではないかと考えるのは、穿ち過ぎだろうか。
ともあれ、ハーンが見た日本とは一体何なのか、上手く消化しきれていない。
心―日本の内面生活の暗示と影響 (岩波文庫 赤 244-2)
- 作者: ラフカディオ・ハーン,平井呈一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/03
- メディア: 文庫
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