この本もまた図書館で借りた。
やけに平易な言葉で書かれていると思って、よくよく見たら、岩波ジュニア新書だった。
江戸時代における諸外国との交流を、服装、食器、視覚といった点から考察し、一般的に「鎖国」と言われる状態ではなかったことを考察している。
また、中国を中心とする冊封体制に入らず、先進国の朝鮮や中国の文化を吸収し、日本的なる物を作り上げていった。
こう書いてみると、日本賛美、江戸賛美の本のようにも見えてしまうが、そうではない。
豊臣秀吉の朝鮮出兵や、薩摩藩と明治政府の琉球併合、松前藩のアイヌ侵略といった、近世の対外侵略に批判的であったり、和辻哲郎の鎖国史観を否定する。
この本は江戸時代における対外貿易と生活の中の外国文化の影響を通して、グローバルであることとはどういうことかを考察している。
もちろんそれは、社内の公用語を英語と定めるような、薄っぺらいどこぞの経営者とは雲泥の差があることは言うまでも無い。
グローバリゼーションの中の江戸 (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ)
- 作者: 田中優子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/06/21
- メディア: 新書
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