雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

名人は危うきに遊ぶ/白洲正子

この本もまた図書館で借りた。
向田邦子の本には年齢のシンクロニシティに呼ばれたのだとしたら、白洲正子の本に呼ばれたのは何だろうか。
名家の娘であり、稀代の実業家の妻であり、趣味も生活も接点など無い。
それでも草木を愛で、季節を楽しむ姿には、何かしら共感できるものがあるようだ。
大半はあまり縁もない、和歌、能、寺院、陶芸といった話なのだが、時折見える、話の切れ具合が何だか心地よい。
だからといって、白洲正子的な何かに憧れたり、読み耽ってみようとは思わない。
自分から積極的に交流を持っているわけではないが、たまに会うと話が弾む親戚のおばさん、という位置づけに近いのかもしれない。
「孔雀」と「あとがき」は良いと思った。


名人は危うきに遊ぶ (新潮文庫)

名人は危うきに遊ぶ (新潮文庫)