この本もまた図書館で借りた。
正直に言えば、内田樹については食わず嫌いであった。
「街場の」シリーズや「日本辺境論」といった著作のタイトルから、何となく敬遠してしまっていた一方で、レヴィナスの著作の翻訳を手がけていることから、読むべきだろうかという思いが錯綜していた。
迷ったときは読んでみるのが、概ね正しい態度なので、今回借りてみた。
この本は現代思想の解説というよりは、現代思想をツールにして世間の事象を読み解くというものに近いだろうと思った。
したがって人文書というよりは、エッセイに近い。
だが、考えのベースとなるのは、ニーチェであったり、レヴィナスであったり(デリダっぽい部分もあるようだが、あまり自信は無い)、ともあれ、ただ誰かの考えを伝えるのではなく、そこから社会を眺める言説は真っ当なありようだと思った。
なので、もっと読んでみても良いかもしれないが、自分自身が内田樹の受け売りにならないよう気をつけねばなるまい。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: 文庫
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