雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

カタロニア讃歌/ジョージ・オーウェル

この本はジョージ・オーウェルによる、1936年のスペイン内戦の記録である。
スペイン内戦は、他にもピカソの「ゲルニカ」、ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」、キャパの写真などでも知られているだろう。
オーウェルは反ファシズム義勇兵として参加している。
日本の作家が反核署名だとか言って、つるんで騒いでいるのに比べて、行動力があるというか、フットワークが軽いというか、浅はかというか、まあ、どちらの態度も何だかなぁとは思う。
この本に書かれている政治的状況が、どの程度、本当なのかは判らない。
しかし、共和主義vs全体主義というという単純構造ではなく、コミュニストアナーキストが入り乱れて、騒乱状態にあったようだ。
互いに敵のことをファシスト呼ばわりし、宣伝合戦とリアルな戦闘、そして人々の悲惨さが描かれる。
とりわけ、糞尿譚の多さは何だろうか。
オーウェルアナーキズムに肩入れしつつも、マスメディアを筆頭に垂れ流される流言蜚語を告発する姿は、この本の読みどころだろう。


持っているのは早川NF版。
カタロニア讃歌 (岩波文庫)

カタロニア讃歌 (岩波文庫)

岩波でも出ていたっけ。