この本もまた図書館で借りた。
カバーをかけずに電車で読んでいると、前に座っている人が凝視することがある。
ヤンキーはマイルドになって、より社会に適合できるようになって、オタクもカジュアル化してファッションの一部となりつつあって、行き場の無いサブカルは卒業するしかない、というまとめ方は乱暴だろうか。
常々思うのだけれど、こういった社会論的な本には、反論する必要がない気がする。
社会からある一面を切り取ってこう思うんだけどって提示されても、否定のしようも無い。
黙ってやり過ごしておけば良いものをこうやって読んでしまうものだから、難癖を付けたくなってしまう。
別にこの本が悪いわけでもないし、何か致命的なミスがあるわけでもない。
読んでみてなるほどね、と思う本なのだと思った。
- 作者: 熊代亨
- 出版社/メーカー: 花伝社
- 発売日: 2014/10/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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少しだけ補足。
この本で、社会は今まで以上にコミュニケーション重視に移っている、という話ははっとさせられた。
確かにスマホになって、SNSが発達し、電話は話すだけのものじゃなくなったけれど、結局は様々なコミュニケーションを実現するデバイスになった。
会って話せばいいことを遠くから話したり、メールで伝えたり、Facebookでいいね!を押してもらったり、Twitterで不特定多数に垂れ流したり、つくづくめんどくさい世の中になったものだと思う。
じゃあやめれば良いじゃん、という話ではないのは、それが社会へコミットする手段であり、そういった方向へシフトしようとしているから厄介なのだ。
どこにいたって何していたって、スマホを持っている限り、社会というかコミュニティにコミットさせることが可能な状態なのだ、ということに自覚を持った方がいいのかもしれない。
スマホ的なコミュニケーションは、いついかなるときも何をしていたって自分がさらされるというだけでなく、相手もまた同じようにさらすことになるということに対して。