2016-02-23 青鬼の褌を洗う女/坂口安吾 物語 坂口安吾を読み出すと癖になる。 この短編の主人公は妾の娘で、戦争中から終戦直後ぐらいの話のようだ。 一人称で語られる物語は、観念的なようで感覚的でもあり、ともすれば何を言わんとしているのか見失いそうになる。 だが時に坂口安吾の言葉が、不意に突き刺さることがある。 例えば、こんな最後の一節である。 すべてが、なんて退屈だろう。然し、なぜ、こんなに、なつかしいのだろう。 恐らく坂口安吾が気に入るかどうかは、こんな言葉が響くかどうかなのかもしれない。 青鬼の褌を洗う女 作者: 坂口安吾 発売日: 2012/09/13 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る