久しぶりに読んでみた。
初めて読んだのは、小学生の時だ。
当時、何を思ったのか覚えていないが、当時から好きな作品であることは間違いない。
僅かに分別のついた大人になって読み返してみると、宗教的な点が気になってしまう。
もちろんそれが、弱点なのではない。
これは、天上を目指す冥界下りの物語であり、死と再生のイニシエーションなのだろう。
星野哲郎が永遠の命をもらえるというアンドロメダ星雲行きの銀河鉄道に乗り、案内人であるメーテルと旅に出る。
「銀河鉄道の夜」が思春期入口の人生への迷いを宗教に結びつけて昇華を図ったものだとしたら、「銀河鉄道999」は思春期真っただ中の性への目覚めをファムファタールめいた謎の美女との旅行というメタファーで昇華しようとするものかもしれない。