子供の頃に読んだ本をもう一度読み返してみたいと思っても見つからないことがある。
宮沢賢治や小川未明などはそんなことは無いのだが、経済高度成長期に創作された児童文学は何処に行ってしまったのか。
もっとも児童文学に限らず、大衆文学や中間小説やポルノ小説などは国会図書館に収蔵されることもなく、ひっそりと朽ちているだろうと思う。
そんな大層な話をしたいのではなく、読み返したみたかったが見つからなかった、という話である。
書店にもなく、図書館にもなく、ようやくネットで見つけ取り寄せた。
内容はAからZまでの名前の付いた島をめぐる架空の航海記である。
アルファベットの数だけある短編集でもある。
何か説教臭い教訓のある話でもなく、軽いユーモアのある話であった。
なるほど自分のルーツはこういう所にあるのだと再確認した。