この本もまた図書館で借りた。
ちょっと精神的に不安定で本が読める状態なのか不安に思っていたが、何とか読み通すことができた。
というのは、何かに集中することが難しいと感じていたからなのだが、何とか論旨が分かる程度には読めたと思う。
教育と労働、権利であり義務であるこの二つが、経済合理性のもとに低下しつつあり、若者の学びからの逃走であり、労働からの逃走であるという。
学ぶことに等価交換を求める考え方が、授業でのまるでフリーマーケットでの値付け交渉かのような振る舞いに繋がり、教育の権利を自ら放棄している。
労働は、自己責任論の成れの果てに、自ら受け止めきれないリスクの回避のために、働かないことを選択するニートが発生しているのではないかという。
この本が書かれたのが2005年であり、既に17年前の論旨なのだが、状況は変わっていないどころか、悪化しているような気がする。
今はあまり周りに対しての感度が良くない状態にあるけれど、それでもなおこの本に書かれている幾つもの事が、当てはまっているように思える。
講演を元に書かれているのも、読みやすかったのかもしれない。