雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

うわさのベーコン/猫田道子

たぶん2000年頃に話題になったのではなかったろうか。

サブカル界隈で話題になってたように記憶しているが、相変わらず絶版のままらしい。

ふと思い出して読み直してみる。

改めて読み直してみて、この作品に漂う違和感のようなものは、詰まるところ稚拙さなのではないかと思った。

この作品に作為のようなものを感じてしまうとしたら、読み手の深読みだろうし、作者の作為があるとしたら、無作為を装って誤字、脱字、かな書き、ルビ、といった仕掛けを残していることなのではないだろうか。

整った文章が読みやすく、美しく、優れていると考えてしまうのは、「真・善・美」の系列の価値観に基づいているとしたら、整っていない文章を敢えて褒めそやすのも、単なる裏返しであり「真・善・美」の価値観から抜け出してはいない。

最近あちこちでよく見かける逆張りなだけであって、もう一つの価値観とは言えないだろう。

整える前の文章に何かしらの価値を見出しているとする作者と編集者の戦略に対して、もし読み手がその戦略に乗らないとしたら、読み手はこの作品の価値を見出すことができるのだろうか。

再読して思ったのは、無作為を装っているあざとい作為なのではないかと。

真偽のほどは分からない。