雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

豆大福と珈琲/片岡義男

片岡義男の名前は知っていても、読んでこなかった作家の一人である。

それがひょんな拍子で、友人からのお薦めで手に取ったのが数年前で、未だに読んでいない本は多いのだけれど、これは図書館の棚を眺めていて目にとまった。

というか、文庫本で借りられるのはこの一冊だけだった。

一言で言うなら、コーヒーにまつわる連作短編集と言って良いかと思う。

コーヒーの蘊蓄が語られるということは無いが、出版業界の裏事情のようなものが透けて見える。

それにしても、どことなく非現実的な物語なのが心地良い。

20代の頃だったら、すぐ飽きたかもしれない。

10代の頃だったら、呆れて読むのを止めたかもしれない。

年を取ったからこそ、楽しめるようになった気もする。