雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

その先は永代橋/草森紳一

車谷長吉の本から、草森紳一の名前を知る。

「長吉」の由来は、唐代の詩人・李賀、こと「李長吉」に由来し、草森紳一の書いた伝記から想を得たことを、本人に伝えたというエピソードが先の「四国八十八ヶ所感情巡礼」に登場し、とても印象に残った。

そういった本の読み方をしたのは、何年ぶりだったろうか。

ともあれ、草森紳一を知らなかったのは、全くもっての不勉強で、本を淫するには未熟だったと思わざるを得ない。

この本は、著者の絶筆となったエッセイらしい。

著者の住む近所の永代橋に関するエピソードから始まり、幕末、昭和、現代の時間の中を自由自在に飛び回り、かと思えば、自宅で吐血したエピソードやフランシス・ベーコン(画家)について語る。

碩学の徒とでも言うべき、知性の広さと深さを感じずにはいられない。