知らなくもないけれど馴染みの薄い街をぶらぶら歩いて、ふらっと立ち寄ったブック〇フで買った。
荒木経惟の妻、というか、荒木経惟の写真世界の重要なモデルであり、「ヨーコ」として文章にも登場する。
そんな荒木陽子の本があったことすら知らなくて、つい手に取った。
作家でもないし、エッセイストでもないが、独特の雰囲気がある。
それは、夫に対する信頼、尊敬によるというのと、自分より少し上の世代の女性が、80年代頃に話している感じがした。
世代やグループで個人を語ることに意味はないと思うけれど、80年代の雑誌で見ていた荒木経惟の写真の背後にある荒木夫妻の様子、そしてその頃のサブカルの感じがした。
当時を知らない人には、奇妙で気恥ずかしいものがあるかもしれない。
それもまた本の味わいだろうが、やがて忘れられてゆくものだとも思っている。

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