藤井保を知ったのは、「ニライカナイ」という写真集だった。
たぶん本屋の店頭で見かけたのか、雑誌のブックガイドだったのか、いまとなっては覚えていない。
モノトーンに近い淡い色彩で写される南国や雪国の風景に、心を動かされた。
その後、JR東日本、サントリー、などの広告写真や、江角マキコのヌード写真集などで名前を見かけた。
仕事が早く終わった日にぶらぶらと馴染みの無い町を歩いて、ふらりと立ち寄ったブック〇フでこの本を見つけた。
瀧本幹也もまた写真家で、藤井保の弟子筋らしい。
映像を生業とする人、音楽を生業とする人の言葉は、言葉を生業とする人とは異なっていると思う。
言葉で表現する必要が無いからか、ただの私信のような短いやり取りが続く。
どうやら二人展の企画の一環で始められたようなのだけれど、新型コロナのパンデミックにより企画が頓挫しそうになったり、藤井保の島根への移住があったり、2021年に開催された東京オリンピックを巡り二人の意見が相違したりする、この期間ならではのドキュメンタリーである。
そして小さいながらも二人の写真がとても良い。
二人展が開催されていたのは観たかった。
