雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

奇妙な孤島の物語/ユーディット・シャランスキー

これも気になってた本。

図書館に無いだろうなぁ、と思い込んでいた。

著者はドイツの作家で、ブックデザイナーでもあるそうだ。

章ごとに海図の中の孤島の位置が示され、それぞれの島は地図に1ページ、エピソードに1ページで構成されていて、隙間に簡単な歴史と投影図法で描かれた孤島の位置が入っている、という凝ったデザインである。

島は楽園でもあり地獄でもある、と序文に著者は書いている。

なるほど、孤島にまつわる血なまぐさい殺人や、真偽の分からない不可解な事件、海難事故や漂着者たちの消息、環境問題や核実験など、陰鬱な話が詰められている。

地図を眺めて孤島に思いを馳せてた著者が図書館で発掘したのは、そんなエピソードばかりであった、ということだろう。

歴史は事件の連なりであり、その他は背景の時間に溶け込んでいるのは、海の中にポツンと存在する孤島のようなものかもしれない。

陰鬱なエピソードの連なりは、あまり読み進める気持ちにならないけれど、聞いたこともない孤島の名前が次々に登場することで、相殺されてくる部分もある不思議な本だった。

ただ一つ残念なことに、大西洋の章の見出しページが、太平洋になっている。