これも気になってた本。
図書館に無いだろうなぁ、と思い込んでいた。
著者はドイツの作家で、ブックデザイナーでもあるそうだ。
章ごとに海図の中の孤島の位置が示され、それぞれの島は地図に1ページ、エピソードに1ページで構成されていて、隙間に簡単な歴史と投影図法で描かれた孤島の位置が入っている、という凝ったデザインである。
島は楽園でもあり地獄でもある、と序文に著者は書いている。
なるほど、孤島にまつわる血なまぐさい殺人や、真偽の分からない不可解な事件、海難事故や漂着者たちの消息、環境問題や核実験など、陰鬱な話が詰められている。
地図を眺めて孤島に思いを馳せてた著者が図書館で発掘したのは、そんなエピソードばかりであった、ということだろう。
歴史は事件の連なりであり、その他は背景の時間に溶け込んでいるのは、海の中にポツンと存在する孤島のようなものかもしれない。
陰鬱なエピソードの連なりは、あまり読み進める気持ちにならないけれど、聞いたこともない孤島の名前が次々に登場することで、相殺されてくる部分もある不思議な本だった。
ただ一つ残念なことに、大西洋の章の見出しページが、太平洋になっている。
