2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
表題作の「弓浦市」は、主人公の小説家のもとに、見知らぬ女性が訪れ、かつての弓浦市での思い出語りをする、という短篇である。 女性に見覚えもないうえ、弓浦市などという地名は存在しない、というなんとも薄気味の悪い話である。 この本に収められている…
実はまだ読んでいない。 店頭で買おうか買うまいか、しばらく悩んで買わずに帰った。 しかし、これは買うと思う。 短歌のような1行にレシピがまとめられており、写真も良く、記憶に残った。 おつまみ一行レシピ ~きき酒師がつくる酒の肴136品~ (マイナビ文庫…
北には何かしら魅かれるものがあるようだ。 北海道から連なる千島列島、カムチャッカ半島、樺太、アリューシャン列島、オホーツク海を、子供の頃、地図で眺めていた。 やがて、アルセーニエフの「デルス・ウザーラ」を読み、そこに登場するシベリアの少数民…
子供のころ、東京から遠く離れたミクロネシアの島々を、地図で辿ったりした。 アメリカの信託統治領が何であるかも知らず、太平洋に点在する島々に思いを馳せていた。 この本は日本が進出し、太平洋戦争を引き起こし、そしてアメリカの信託統治となった昭和…
ちょっと気恥ずかしいタイトルだが、寺山修司の20代の短歌作品集である。 寺山修司の短歌の叙情は、安っぽくて、ステレオタイプで、大げさな、まるでTVドラマのような世界が、31文字の中に籠められている。 それは、コントラストが強く、ポップな色彩に彩ら…