2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
この本は幸田露伴の思い出を、娘である幸田文が綴ったエッセイを集めたものだ。 幸田露伴がどのような人物だったのか、ということよりも、幸田文が父をどう思っていたのか、ということが伝わってくる。 しかも幕末生まれ、明治育ちの男が、娘と二人でどのよ…
引き続きあまり手を伸ばさない分野の本を読む。 この本は、1968年に世界史的なターニングポイントがあったと主張している。 その論旨は、新左翼党派の動きを追いかけていくことで示している。 この本に登場するタームの多くは、恐らく自分より下の年代にはあ…
世代で語ったり、時代を語ったりすることに、意味が無いと思っている。 だが時々、そういう感想をここに書いてしまうのは、実は面倒になっている時が多い。 1980年代の雰囲気、と言ってみたところで、自分が何を感じていたのかなんて、何も説明していないし…
同名のアルバムもあるが、これは同時に発売された奥村靫正のアートディレクションによるビジュアル本である。 本棚の片隅に残っていた。 ドゥルーズ=ガタリの「リゾーム」の引用や、浅田彰や村上龍の文章がタイポグラフィックによってちりばめられ、背景はカ…
ダダは何となく通過した。 トリスタン・ツァラ、ハンス・アルプ、クルト・シュビッタース、フランシス・ピカビアといった名前ぐらいは知っている。 だが、あまり興味を引かなかった。 とは言え、若き日の赤瀬川原平が活動していたハイレッドセンターのネオ・…
村上龍を読んだのは何年振りだろうか。 この本はどこかで紹介されていたのを見た気がする。 パラレルワールドもののSFとも、日本文化批判の寓話とも言えるだろう。 ともあれ、ストレートなストーリーはあっという間に読み終えることができた。 この本は、文…
この本はおそらく口述による本だろう。 子供向けというほど子供向けでもないが、比較的平易な言葉で語っている。 13歳だった自分がこの本を手に取ったかと言うと、そうは思わない。 では、その頃の自分の周りにいた誰かがこの本を薦めただろうかと言うと、そ…
大学のときのゼミの教材を読み返してみる。 新書ながら、一揆の基本的な要点を押さえている好著だと思った。 法制史的に言えば、一揆とは公家法でも武家法でもない、私的な契約関係と考えられるということだったか。 改めて読み直してみると、集団論理的な面…
この本は、杉浦日向子にしては珍しいエッセイ漫画である。 YASUJIとは明治初頭の浮世絵師の井上安治のことだ。 たまに小林清親は見かけることがあっても、その弟子の井上安治はあまり見かけない。 井上安治の描く東京は、あっけなくて、画者の存在が見えない…
例えば、全く興味を失ってしまった分野の本を読み返してみる。 が、思うようにはかどらない。 気がつけば、本を持つ手は膝に落ちて、眠ってしまっている。 買ったのは高校生か大学生ぐらいだろう。 もう理由も覚えていないが、高校生にとって、文庫クセジュ…